季節のお便り_十一月「晩生品種の収穫が始まります」(2024.11.06)

「いいりんごの日」(11月5日)も過ぎ、もう立冬。ようやく朝夕に寒気が感じられる時節となりましたが、皆様、お変わりございませんでしょうか。いつも格別なご厚情を賜り御礼申し上げます。

今年はりんごに、「輪紋病」という果実が腐敗する病気が大発生しました。これまで、さして問題にならなかった病気だったので、慌てて、資料を読んでみました。すると、発病条件が25~30度で、成熟期に高温であった場合に被害が大きくなるとか。確かに、今年の9月は本当に暑く、秋とよべるような感じではありませんでした。数年前から、「高山の病気の発生傾向が(高山よりも暑い)長野県に似てきた」という声がありましたが、本当に気候が変わってきたことを実感します。
また、この秋は、未だ厳しい冷え込みがありません。10月下旬には氷点下の朝があったり、11月上旬には初雪が降るといった、10年前には当たり前であった寒暖差が、この数年、ありません。霜にあたることで、晩生のりんごは落葉も進み、着色も進みますが、このプロセスが年々、難しくなっています。
高温でも着色しやすい、軟化しにくいといった性質を持つ、温暖化に対応した品種や系統がいろいろと発表されており、こういったものを、積極的に試していく必要性を感じています。

新品種といえば、今、生産者仲間の間で話題になっている、「紅つるぎ」という農研機構が作出した品種があります。ガラムナー性(円筒状)という性質を持ち、コンパクトな樹姿(樹形)になるとのこと。結果、枝が横に広がらないため、機械の動線も単純になり、作業も省力化ができるらしい。しかも、食味が良いという、話の限りは嬉しい品種です。早く、苗木が普及しないものか、心待ちにしています。
また、もう十数年前ですが、弘前大学より「王林に代わる品種」として「きみと」という黄りんごが発表されました。完熟すると、パイナップルのような香りがし、糖度も高く、しかも「王林」と異なり軟化しにくい。これだけでも魅力的なのですが、当園では、この品種に果実袋をかけています。病害虫対策で部分的に試験してみたのですが、結果として、果皮が綺麗に仕上がり、果肉も食べやすくなるようです。そこで今年は、全量に果実袋をかけました。(省力化とは真逆のことをしていますが。)今年は少し、生産量が増えたので、品種混合の箱に、少しづつは詰めれるかな?と思っています。

病気の発生についても、品種の転換についても、常に何かしら考えていくことは、すぐに結果が出るものではありません。しかし、継続して取り組み、安定して美味しい果物が届けられるようになりたいものです。

さて、間もなく、ふじの収穫が始まります。今シーズンもどうぞ、ふくわらびのくだものをよろしくお願いいたします。

りんごの成熟が遅れています/蜜入りも弱い傾向です

桃もりんごも、収穫開始の目安として、開花後の日数を参考にします。開花は年々、早まっており、桃はそれに従って、以前に比べ、収穫期が2週間ほど早くなっています。
しかし、りんごの収穫期はあまり変わりません。むしろ、今シーズンは、1週間~10日間ほど遅れています。「ぐんま名月」の収穫も、まだ本格化しておりません。

また、暖かい秋の年(寒暖差が少ない年)には、仕方がないことなのですが、蜜入りが少ない傾向です。

りんごのお届け時期の遅れ、蜜入りの少なさなど、あるかと思いますが、どうぞご理解、ご容赦ください。

ただ、糖度も上がり、味はしっかりしています。これもまた、温暖化の影響かもしれません。

スズメバチに襲われてしまいました

9月の中頃、収穫が終わった桃畑に肥料を散布しようと機械を始動させた途端、スズメバチに襲われました。
肥料を積み上げている所のちょうど上に、直径40cmほどの巣をかけており、それまでは機械を動かしてもなんともなかったので、気がかりでしたが、駆除せずにきていました。
が、その日に限って、刺されてしまいました。汗が流れるような暑い日だったので、蜂も気が立っていたのかもしれません。
それ以来、果樹園で、りんごをシャキシャキと音を立てて食べるスズメバチを見かけると、緊張してしまいます。

ふくわらびのくだもの−りんごのご案内-

ふくわらびでは、有機質肥料を土づくりの基本とし、また農薬(化学合成農薬)の使用をできるだけ減らすように心がけています。特別の農法の栽培ではありませんが、「一昔前の作り方」に似ています。当園の果物は「昔の味」がするとよく言われますが、こうした作り方による色や形、味の果実になっていると思います。

ー11月上旬のりんご詰め合わせー

11月上旬は、「シナノスイート」(10月下旬収穫のりんご)の他、「秋陽」や「ぐんま名月」「星の金貨」などの11月上旬に収穫できる品種を詰め合わせた箱をお届けします。

ーふじは11月25日前後から(昨年よりも遅れています)ー

今年の「ふじ」の発送は、11月25日頃から予定しています。いろいろな品種がありますが、安定した食味を発揮する品種だと思います。
11月下旬には、「ふじ」のみ、もしくは「ふじと黄色いりんごの詰め合わせ(品種混合)」をお届けします。
黄色いりんごには、「金星」「星の金貨」「ぐんま名月」「はるか」「きみと」、そして「グラニースミス」などがあります。(なお、これら黄色い品種は、「ふじ」との詰め合わせ用に少量を生産しています。黄色いりんごのみのでのご注文はお断りする場合もございます。)

ー11月10~25日は収穫作業に集中していますー

「ふじ」の収穫期となる11月10~25日の間は、りんごが樹上で過度に凍ってしまわないよう収穫を優先し、発送作業日を減らします。急なご注文、ご要望には対応が難しくなります。どうぞご理解ください。

ーご自宅用りんごについてー

ご自宅用りんごの箱には、多少の傷やサビ、変形果、また、当園なりに農薬を減らした結果としての虫害や病斑がついたものが混ざります。皮をむけば、味や香りは遜色ないものです。予めご了承の上、ご利用くださいますよう、お願い申し上げます。

ーりんごの規格/価格(9-10月、税込価格、送料別)ー

ご贈答用
2k箱 2,600円 / 3k箱 3,800円 / 5k箱 5,000円
ご自宅用(ご贈答用の規格に満たないもの)
2k箱 2,000円 / 3k箱 2,900円 / 5k箱 3,800円

ーりんごの着色管理についてー

この数年は、酷暑のため、果実の日焼けが懸念されます。また、できるだけ、収穫間際まで葉は残しておいた方が美味しいと言われます。そこで、葉摘みの時期を遅くし、程度を弱くしています。色むらなどありますが、ご理解ください。

ーりんごを予冷していますー

当園では、一部の品種を除き、りんごは冷蔵しています。そして、発送する際に、冷蔵庫から出し、箱詰めしています。
りんごは冷えているため、りんごの表面に水滴がつきます。

加工品ー桃ジャム、りんごジャムー

りんごジャム(ひめかみ)  450円 / 200 g
桃ジャム(なつおとめ) 450円 / 200 g
洋ナシジャム(オーロラ) 450円 / 200 g

※今年のりんごジュースは、11月中旬にできる予定です。
※紅玉のジャム、もうすぐご用意できます。

ご注文/お問い合わせ先

 福蕨(ふくわらび)
 509-3206 岐阜県高山市久々野町山梨88-14
 TEL 0577-52-2494 / FAX 0577-52-2994
 e-mail hukuwarabi@hidatakayama.ne.jp
 url http://hukuwarabi.net

2024年11月06日