錦秋の候、朝晩の冷え込みに、作業する手も冷たさを感じられるようになりましたが、皆様、お変わりございませんでしょうか。
ここ高山では、10月に入っても夏日が続きました(数えると、11日間も夏日がありました)。ニュースでは、近くにある、紅葉を楽しめる「せせらぎ街道」の紅葉が10日間ほど遅れていると聞きました。低温と快晴が続くことで紅葉が進むとのことですが、果樹園でも、10月のりんごの熟期が予想よりも遅くなっていますし、また「ふじ」の着色がなかなか進まず、気をもんでいました。
10日ほど前から、やっと冷え込みが感じられ、秋らしくなってきました。すると、果実に、さっと紅色が入りました。自然の力にはかなわないことを実感しつつ、収穫期にはきれいに色づいてくれることを願いながら、葉摘みを進めています。
葉摘みをしていると、時折、誤って果実を落としてしまうことがあります。もったいないので食べていますが、切ってみると、若干、蜜が入っている。味もほぼ出来上がっている。「ふじ」を食べると、その味が強すぎず、弱すぎず、何か月も食べ続けられる飽きのこない品種で、これに勝てる品種というのはそうそうでてこないのではないか、そう思ってしまいます。あと2週間、樹につけておくことでさらに味がこなれていく。収穫期が楽しみです。
しかし、「ふじ」がすごいと思いながらも、他の品種への興味もつきません。新しい品種が毎年のように発表され、新たに届いた苗木カタログを手にするといつまでも見てしまいます。温暖化で着色しにくい「ふじ」の代わりに、とか、生産量が「ふじ」に偏っているので、収穫の労力を分散させるためとか、いろいろと理由を考えて、苗木を買い続けています。(もうそろそろ、植える場所が無くなってきましたが。)
そして今年も、数年前に植えた品種が、少しづつ実っています。ご要望の多い黄りんごも、まだまだ主力とは言えませんが、少しづつ生産量を増やしています。
こうしてお届けする一箱が、より楽しんでもらえるものになることを願いながら。
この秋もどうぞ、ふくわらびのくだものをよろしくお願いいたします。
御礼
今年も、春の霜害から始まり、長雨、豪雨などが続き、厳しいシーズンとなっております。そんな中、皆様から暖かい、励ましの言葉をお寄せいただき、嬉しく存じます。心より御礼申し上げます。
温暖化とレッドゴールド
10月10日付の日本農業新聞に、「温暖化により、りんごの着色や軟化が問題になっている」という記事がありました。この変化、一生産者としてひしひしと感じています。
この数年、桃の収穫期は前進しました。以前は、8月17、18日頃から桃を収穫していましたが、この数年はお盆前から収穫しています。また、りんごの糖度は上がり、大きさも他産地なみになってきました。紅玉の酸味も、昔ほどではありません。さらに、過度に凍結しないように焦っていた「ふじ」の収穫も、今はじっくりと樹において熟させることができるようになりました。
温暖化は良いことのようではありますが、やはり、警戒しています。夏の高温は花芽形成を阻害する一因となるそうです。また、果実が日焼けしないために、軟化しないために、きれいに着色するために、何ができるのかを考える時間が増えました。剪定技術や摘果の時期や強さ、肥料の質、使う台木の種類など、検討すべきことはいろいろあります。
しかし、なかなか気候の変化に抗うことは難しく、特にこの数年、レッドゴールドの軟化が気がかりとなっています。親は、「昔から、久々野では作れても、標高が下がると作れなくなる、と言われていた」といいます。その昔から比べれば、ここ久々野はすでに適地から外れているのではないか。もう、数年もすれば、幻の品種となってしまうのではないか。
とても好きな品種なんですが。
ふくわらびのくだもの−りんごのご案内
- 11月上旬のりんご詰め合わせ -
11月上旬は、「シナノスイート」や「清明」(10月下旬収穫のりんご)に、「秋陽」や「ぐんま名月」などの11月上旬に収穫できる品種を詰め合わせた箱をお届けします。
- 11月中下旬のりんご‐ふじは11月20日前後から -
「ふじ」の発送は、11月20日頃から予定しています。いろいろな品種がありますが、安定した食味を発揮する品種だと思います。
- 11月中下旬のりんご詰め合わせ -
11月中下旬には、「ふじ」のみ、もしくは「ふじと黄色いりんごの詰め合わせ(品種混合)」をお届けします。品種混合では、一箱で3~4品種ほど楽しんでいただけるようにしたいと思っています。
黄色いりんごには、「王林」「金星」「星の金貨」「ぐんま名月」「はるか」「青林」「こうこう」「きみと」、そして「グラニースミス」などがあります。
なお、これら黄色い品種は、「ふじ」との詰め合わせ用に生産しています。黄色いりんごのみのでの出荷はお断りする場合もございます。
お断り
- 2021年のりんごのサビ果について -
春の霜害により、多くの品種でサビ果が発生しています(長野県など、他の大産地でも同様のようです)。ご贈答用の箱にも、軽微のサビ果が混入する場合がございますが、どうぞご了承ください。
- 11月10~25日は収穫作業に集中しています -
「ふじ」の収穫期となる11月10~25日の間は、りんごが樹上で過度に凍ってしまわないよう収穫を優先し、発送作業日を減らします。急な配達日指定にお応えできない場合がございますので、事前にご相談、ご確認ください。
- ご自宅用りんごについて -
ご自宅用りんごの箱には、全てではありませんが、多少の傷や変形果、そして化学合成農薬を減らした結果の虫害や病斑がついたものが混ざります。予めご了承ください。
- 「ぐんま名月」の芯の褐変について -
「ぐんま名月」は、美味しい品種ですが、種のある芯の部分が少しだけ茶色くなることがあります。食味には全く関係ありませんが、気になります。これは、年によっては樹についている時、まだ青い果実でも既になっていることがあり、原因もわかっていません。どうぞご理解、ご容赦下さい。
ご注文/お問い合わせ先
福蕨(ふくわらび)
509-3206 岐阜県高山市久々野町山梨88-14
TEL 0577-52-2494 / FAX 0577-52-2994
e-mail hukuwarabi@hidatakayama.ne.jp
url http://hukuwarabi.net
お願いー新型コロナウイルス感染症対策ー
飛騨地域でも新型コロナウイルス感染症の拡大が懸念されます。 当園は、小規模な家族経営ですので、感染対策も尽くせるかどうか、定かではありません。また、ワクチン接種もまだできておりません。 どうぞご注文は、できるだけお電話やファックス、メールにてお願いしたく存じます。