季節のお便り_八月「暑中お見舞い申し上げます/まもなく桃の収穫が始まります」(2023.08.01)

2023年はエルニーニョの年と言われ、冷夏を覚悟していたのですが、連日のこの酷暑に驚くばかりです。皆様、お変わりございませんでしょうか。
果樹園では、春の冷たい朝をいくつも乗り越え結実した桃やりんごの果実が、すくすくと育っています。7月も下旬になり、桃の枝が少しづつ下がってきました。折れてしまわないように枝を吊ったり、支柱を入れたりして、まもなく始まる収獲に備えています。今年もこうして、この嬉しい季節を迎えられることは、ひとえに皆様のご支援ご厚情の賜物と、心より感謝いたします。

もう皆さんのお住いのところでは、山梨県や愛知県、長野県などの桃が出回っていると思いますが、今年はどの産地でも「核割れ」(桃の種が割れている症状)が多いそうです。これは、硬核期(種の部分(内果皮)が硬くなる時期)に雨が多いと、果肉の肥大に種が引っ張られることから起きる現象だそうです。
核割れを防ぐためには、硬核期の最中の摘果作業は避けることが言われていますが、もっと有効な対策はないものか気になって、少し調べてみました。
和歌山県の資料には、硬核期の果実肥大を防ぐために、弱剪定や、仕上げ摘果を遅らせる(硬核期の後に行う)とよい、とあります。しかし当園では、このスケジュールで摘果作業を進めると、なかなか果実が大きくなってくれません。
別の、大学の研究では、蕾や花の時期にできるだけ最終的な着果数に近づけ、生育初期の細胞分裂を活発にすることで核割れを防ぐことができる、とありました。これはこれで、春の低温(霜害)を思うと、なかなか強い摘蕾・摘花には踏ん切りがつきません。
一体、どうしたらよいものか。

核割れの他にも、ミツ症、生理落果、渋味が出たり、なかなか桃は気難しいところがあります。美味しい桃のためには、なかなか正解というか、適切な手法が何なのかは難しいですが、これはこれでいろいろ考え、挑戦できる機会と楽しむことにしています。

さて、あと10日もすれば桃の収穫が始まります。今シーズンもどうぞ、ふくわらびのくだものをよろしくお願いいたします。
最後になりましたが、まだまだ暑さは続くとの予報です。疲労もたまり、何かと体調を崩しやすいとも聞きます。くれぐれもご自愛ください。

山の中の果樹園

冬の便りにも書きましたが、ここは山を開墾した果樹園で、いろいろな動物が行き交います。
当園には「なな」という柴犬がいます。熊がよく出没した年に飼い始めたのですが。ある日、山沿いの圃場に軽トラで行ってみると、ひょこっと顔を出すもの、(あれ?なながなんでここに?逃げ出した?)と思いつつ、よくよく見てみると、キツネがりんごの樹の下でお昼寝していた様子。
別の日、肩掛けの草刈り機で園内を草刈りしていると、ほんの数メートル先に何ものかか寝ている。のっそりと狸が、面倒くさそうに場所を開けてくれました。

ここまでは、ほっこりとできるのですが。

久しぶりに猪がやってくれました。
豚熱の影響によるものか、このところ姿を見かけることも、侵入されることもありませんでした。
しかし今年になって、車の前を7~8頭の群れが横切ったり、りんごの枝を折られたり、地面を掘り起こされたり。今シーズンはしっかり対策をしていく必要がありそうです。
枝一本でも、やっぱり残念な気持ちになってしまいますから。
また、家から20~30メートルほどのところにある、お隣さんの桃畑にクマが入ったと聞きました。
近くの国道沿いをうろうろしている姿も目撃されていますし。
朝、晩に外に出る際は、ちょっと警戒しています。

桃のご案内(8月10日頃からの発送予定です)

桃は、雨が多すぎると水っぽくなり、少なすぎると小玉になる、そんな気難しい作目です。当園では、雨が多くても味が落ちにくい、病気にもそこそこ強い、と思える品種を集めてきました。
また栽培面では、有機質肥料を用い、農薬もできるだけ化学合成農薬を減らす努力をしています。例えば、除草剤を使わず草生栽培としたり、収穫間近の薬剤散布は、有機農業で使用できる農薬(納豆菌やスピノサドなど)を選んでいます。
今年度も、どうぞよろしくお願いいたします。

 あかつき 8月中旬
 まどか 8月中下旬 ※少量
 なつおとめ 8月中下旬
 紅錦香(くにか) 8月下旬
 川中島白桃 8月下旬

お断り-小さな果樹園です-

受注、発送に関しましては、出来る限り、皆さまのご要望にお応えしたいと考えておりますが、何分、小さな果樹園です。桃の生育状況によりましては、ご注文をお断りしたり、お届けが遅れたりなど、ご不便をおかけすることもあるかと存じます。
どうぞご理解とご容赦のほど、よろしくお願いいたします。

お問い合わせ・ご注文方法

福蕨(ふくわらび)
岐阜県高山市久々野町山梨88-14
TEL 0577-52-2494 / FAX 0577-52-2994
e-mail hukuwarabi@hidatakayama.ne.jp
url http://hukuwarabi.net

2023年08月01日