プロフィール

ふくわらび(福蕨)は、高山市の宮峠、日本海と太平洋を分かつ分水嶺の近くに位置し、海抜750〜780mの高冷地で果樹を栽培しています。

1964年頃、この園地を人から譲り受け、「ふじ」の苗木を植えました。以来、50余年、この園地を育て続けています。

園地面積は、およそ2.0ha。ささやかな広さの園地で、りんごを主に栽培しています。
いろいろなりんごを味わってもらいたい、そんな思いから、いろいろな品種を集め、育てています。


栽培方針 『小説・複合汚染』を読んで・・・

社長

1975年頃、有吉佐和子の『複合汚染』を読んで以来、栽培方針を大きく変えました。有機質肥料を土づくりの基本とし、また農薬(化学合成農薬)の使用を減らすよう努力をしてきました。化学合成農薬の使用について、桃では、比較的容易に、散布回数を減らす可能性を見いだすことができました。しかし主な作目のりんご栽培において、意図した通りに化学合成農薬の使用を減らすことは困難で、現在でも試行錯誤を繰り返しています。

有機質肥料

陸海の、さまざまな動植物を材料にして作った有機質肥料を施しています。微生物の働きを借りながら土づくりを行い、木々を、果実を育てています。

減化学合成農薬

環境ホルモンの疑いがある化学合成農薬の使用を減らすようにしています。忌避剤、植物を原料にした農薬、無機の農薬を積極的に使用します。特に、化学合成農薬の最後の散布から収穫までの期間を重視し、果実の生育期後半では、有機農業で使用が認められているもの、例えばボルドー液などを使用します。
また、草生栽培を旨とし、除草剤は使用しません。

味が深い、旨味のある果物を作りたい

四十数年前、当園で、化学肥料を使わなくなった時、果物の糖度が思うようにあがらなくなりました。しかし、かえって「昔の味がする」と評されるようになりました。
糖度が重視される昨今、「甘くない」と言われ、迷うこともしばしばありますが、それでも、旨味のあるりんご、「甘くないけれども美味しい」といわれる果物を求めていきたいと考えています。

安全性を高める技術(化学合成農薬を減らす技術)と同時に、味を左右する技術、例えば肥料や整枝・剪定、敵花/摘果などについて、学びを重ねていきたいと思っています。