季節のお便り_一月「寒中お見舞い申し上げます」(2022.01.18)

寒中お見舞い申し上げます。
今年は各地で、寒い冬となっているようですが、皆様、いかがお過ごしでしょうか。

旧年中は大変お世話になり、感謝申し上げます。また、昨年のりんごの作柄は、春の霜害、豪雨、長雨、酷暑等の影響により、収量面、果実肥大とも、過去20年ほどの中で最低の年となりました。結果、12月早々には、ご注文をお断りする事態となりました。皆様にご不便をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます。

年末から降り積もった雪は、元旦には、りんごや桃の樹上に50㎝ほど。幹が裂けたり、枝が折れたりしないか心配になり、股下まで積もった雪の中、樹上の雪下ろしに園地を歩き回りました。思えば、以前は、この樹上の雪下ろしを頻繁に行っていました。しかし、この数年、雪不足、暖冬といわれるように、積雪らしい積雪がありませんでした。これからは、当たり前の光景が当たり前で無くなり、りんご作りもこの変化の影響を受けるであろうと危惧しています。
昨シーズンのりんごの減収は春の霜害によるところが大きいのですが(これは暖冬で、りんごの芽が過去に例のないほど早くに動きだしたためですが)、加え、一昨年の夏(花芽形成の大事な時期に)、豪雨、長雨により日照時間が極端に少なかったことも要因と考えられるようです。花芽形成の好条件は、日照時間が長く、低温傾向であることが指摘されていますが、一昨年の日照不足は、昨年の着果数の減少につながったようです。そして昨年も、夏季に長雨が続きました。
冬期に行う「剪定」においては、常に科学的に考えているわけではなく、当地ではこれぐらい伐れば(これぐらい枝を残せば)樹勢が落ち着き、良いものが獲れるだろう、という経験から判断している部分もあります。しかし、夏季の日照時間が少なくなるのであれば、この「経験」を見直し、樹の本数、枝の数を減らし、隅々まで、懐までしっかりと光が届くような環境を作っていく必要があると考えています。(ただし、枝を減らし過ぎれば、樹勢が強くなり、収量、品質ともに落ちる可能性もあるので、程々が大事と思います。)
また、肥料についても、その年の天候不順に柔軟な対応ができるように準備をしておかないと。
今一度、過去に学んできたことを読み直し、園地を見直し、10年後も、20年後も、りんごをお届けできるよう、日々を重ねていきたいと思います。

今年も、ふくわらびらしいりんご、皆様に楽しんでいただける果樹園を目指して、努力していきたいと思っています。ご厚誼のほどよろしくお願い申し上げます。

果物の消費量ランキング

昨秋、「日本人の果物摂取量は世界174ヶ国中129位と世界平均もアジア平均も、中国や韓国、インドも下回る。また、先進国の中では欧米諸国の1/3~1/2程度で極めて低い水準。」という記事を読みました。一果樹生産者として、とてもショックでしたし、いろいろと考えさせられました。
ストーリーをつけることで、100円のものがそれ以上の値段で売れるようになるといった話もあります。果物を魅力的に映すストーリーは、確かに効果的だと思います。(例えば、テレビでりんごの機能性が話題になると、問い合わせが増えます。)
しかし、毎日、口にするものだから、ストーリー以前にあるべき姿がしっかりしていないとすぐに飽きられるだろうと感じています。
時々、スーパーなどでのりんごの価格に、安すぎて驚くことがあります。この価格で再生産できるのか、一体、肥料は何を使っているのか、どういった経営をしているのか、いろいろと疑問がわいてきます。
そして、この状態が続けば、価格と品質が悪循環に陥ってしまうのではないか、りんごが不味い果物になってしまうのではないかと心配になります。
だからと大きなことは言えませんが。ただ、今年もりんごを作れることに感謝しつつ、どうか美味しく実ってくれることを願いながらりんごの剪定を始めています。

お問い合わせ先

 福蕨(ふくわらび)
 509-3206 岐阜県高山市久々野町山梨88-14
 TEL 0577-52-2494 / FAX 0577-52-2994
 e-mail hukuwarabi@hidatakayama.ne.jp
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お願いー新型コロナウイルス感染症対策ー

飛騨地域でも新型コロナウイルス感染症の拡大が懸念されます。 当園は、小規模な家族経営ですので、感染対策も尽くせるかどうか、定かではありません。(消毒液やマスクは準備しておりますが。) どうぞご注文は、お電話やファックス、メールにてお願いしたく存じます。

2022年01月18日