_果樹園の記録

りんごの開花、授粉と摘花と(2010.05.17)

りんごが開花しました。5月7日にちらほらと開花を観ましたが、その後の低温でなかなか進みませんでした。いつもよりも寒い春に、園地は今が花盛り、という様相です。
晩霜害に心配しながら、摘花と授粉とに追われています。


摘花/摘果

摘花/摘果は、着果数を管理する作業です。品種によって異なりますが、おおよそ3〜5頂芽に1果、生らせます。蕾の段階からお盆頃まで、何回かに分けて園地を回り、よりよい果実を選んでいきます。
下の写真のように、ごそっと花を摘んでしまいます。

(摘花前、金星)

(摘花後)

もう少し、わかりやすく、一本だけで観ると。

(摘花前、ふじ)

(摘花後)

この摘花/摘果作業は、1)枝を正面から捉え、2)芯を確認し、3)年枝を確認し、4)昨年に延びた枝の脇芽(腋芽花)、直上枝の花芽、等々、結実させない花や幼果を摘みながら、何処に生らせるかを決める作業です。
それは、雇用労力に依存するには、なかなか難しい判断が伴う場合があります。ふじに限っては家族労働力のみで摘花/摘果されるとおっしゃられた方もおられます。
雇用労力のスキルアップは必要だと常々、考えていますが、一方で、この作業を分解し(単純化し)、それを積み重ねて、摘果剤を使わないでいけないものか、ラインのようにはできないのかと思わずにいられません。


人工授粉

蕾が開き、雌しべが見えるようになったら、人工授粉を行います。りんごは、授粉の程度により、最大で10程の種が入ります。ふじは受精が不十分だと(種が8以上はないと)変形果になりやすいので、授粉を徹底する必要があります。

授粉の道具は、いろいろとあります。写真以外にも、ブロワーのようなもので花粉を空中に飛ばすものもあります。(結実率がすこぶる悪いという調査結果があるので、今は使っていませんが。)
真ん中の、羽毛(水鳥)がついた「梵天」といわれるもの、これが最も正確に授粉できるとのことで、作業能率は劣りますが、当園では専らこれを使っています。

今年は、開花当初、あまりに天候が不順だったので、下のような交配器を入手しました。空気で花粉を送り出すシロモノで、雨でも授粉できるのが利点の器械。
試しに少し、触ってみましたが、なかなか、どうして、雨の日には積極的に使ってみよう!


本年の状況

本年は、中心花が満開時に低温が続いたこと、連動してリースした蜜蜂の動きも芳しくなかったことなどから、授粉→結実に不安が残ります。そこで、摘花を平年よりもゆるやかな程度のものとしました。(腋芽花を摘むのみにとどめました。)
また、結実量を確保する目的で、徹底した人工授粉を行いました。中心花五分咲きのときに一巡、中心花満開の時にもう一巡しました。また、例年であれば、授粉樹がある場合は人工授粉しないのですが、低温で蜜蜂が動かなかったことや、さらに平年とは異なり、授粉樹の開花がふじよりも遅れたことから、受粉樹がある個体にも行うこととしました。
これで結実すると、収穫までは4〜6ヶ月。果実生長のいろいろなステージが始まります。
どうぞ、実際を観にいらしてくださいませ。(園主が果樹園をご案内いたします。)


(補足)

今年は、例年よりも意識して人工授粉に取り組みました。しかし、それでも、中心花(真ん中の花で、これに結実させるのがよいとされています)が上手く結実しなかった様子の花巣もちらほらみられます。
(↓)中心花が萎れてきました。

蜜蜂も動かず、寒く、雨が降り、そうした今年の条件の重なりをしみじみと感じさせられます。