_果樹園の記録

トレードオフ(2010.03.25)

三月も下旬になり、ようやくリンゴの剪定が一段落しました。ほっとしたところで、作業中にふと思ったことを少し。

剪定に先立っては、除伐、間伐作業を行います。樹と樹の間が混みすぎていたり、あるいは品種更新が必要であったり、時にどうにも調子が悪くなって戻らなかったり、そういった個体を伐採します。
本年は、下の写真のような喬木も伐採しました。

伐採後は、土を掘りとり、根が残らないようにします。

伐採した一本、異常に軽く掘り起こすことができました。見れば、幹は空洞に。写真こそ撮り損ねましたが、どうもカミキリムシが巣くっていたようです。
父がよく、針金を持って根に入った虫を潰してまわっていたのが、幼い頃の私の記憶に残っています。今も、カミキリムシ、ゾウムシの類が侵入したのを見つけると、目打ちなどで退治していきます。
殺虫剤を控えた結果として、このように樹がストレスを受け、伐採に至ってしまうことは、、、なかなか厳しい。

伐採木、玉切りにして園地に寝かせておきました。さてそれを、春に移動しようとしたら、切り口から虫糞が・・・。現在進行形でありました。

(2010.05.05)

冬の朝、澄んだ空気にカラカラカラカラ・・・・と、キツツキの音が響いてきます。
剪定時、高所作業者で樹上にあがると、下のような穴が!
栽培期間中に、虫糞を見かけると、捕殺などを試みるのですが、なかなか、鳥たちの方が仕事をしてくれそう。

ところで、農薬を使わないことは植物にストレスを与えることになるので、その個体はアレルゲンを生成することが指摘されており、「農薬を使う/使わない」ことと「化学物質を摂取する/アレルゲンを摂取する」ことは、トレードオフの関係だと言われています。
これとは別の場面で、生産現場では、樹そのものが被害に遭ってしまい、収穫物そのものが得られなくなってしまう危険を伴うこと、収穫物が得られたとしても、秀品率が低いこと、これらもトレードオフの関係と説明できるのかな、とふと思ったのでした。


りんごを折角お送りしても、「果物の中から、虫が出てきました。」といったご報告を受けることがあります。殺虫剤の使用を少なめに、少なめにしていることを説明し、ご理解いただくようにしています。なかなか納得しかねることであるとは承知の上で。
それを買い支えて下さることに、感謝ひとしきり。