_りんご>概要|栽培の考え方白いりんご様々な果実栽培品種減農薬の試験圃場梱包/保存

1_概要

『昔の味がする』と云われます

園は、全ての作目に共通して、「有機質肥料+減化学合成農薬」を栽培の方針としています。
特別の農法の栽培ではありませんが、「一昔前の作り方」に似ています。
当園の果物は「昔の味」がするとよく言われますが、こうした作り方による色や形、味の果実になっていると思います。

高冷地のリンゴ

園地は、海抜750〜780mの高冷地に位置します。春の凍霜害に遭いやすかったり、あるいは早くに冬が来るため、晩生の品種が完熟しにくかったりといった難しさを抱えています。しかし逆に、涼しさは、リンゴの硬度に貢献してくれているように感じています。また、ふじなどにわずかに酸味が入るなど、当地のリンゴを特徴づけてくれます。


2_栽培の考え方 有機質肥料と減化学合成農薬

有機質肥料

陸海の、さまざまな動植物を材料にして作った有機質肥料を施しています。微生物の働きを借りながら土づくりを行い、木々を、果実を育てています。

減化学合成農薬 「収穫前無化学農薬期間」のこと

りんごは病害虫に弱く、なかなか農薬が減らしにくい作物です。また雨は病気の発生条件の一つですが、当地はりんご産地としては雨量が一番多いところです。
農薬を減らそうと思い立った当初は、殺菌剤はあきらめて、殺虫剤に絞って挑戦しました。年によっては、害虫が大量発生したり、病気で葉が落ちて味が落ちてしまったりと、経験と試行錯誤を重ねてきました。
そして現在では、農薬を減らす目標を、殺虫剤、殺菌剤をあわせ、次のように考えています。
1)「収穫前無化学農薬期間」
収穫前の化学合成農薬を散布しない期間を重視する。りんごでは、収穫前の6〜12週間、化学合成農薬の使用を控える。化学合成農薬の使用は原則7月までとし、生育期後半では有機農業で使用が認められている資材を使用する。
2)有機殺菌剤の使用は、梅雨の間まで
有機殺菌剤(化学合成農薬)については、梅雨が明けた7月下旬からは、化学合成農薬を使わない(無機の農薬を使う)。例えば、ボルドー液など有機農産物の基準で認められた資材を使う。
3)有機殺虫剤は害虫の発生を見極めて使う
有機殺虫剤(化学合成農薬)は、シンクイムシ対策に7月下旬に一回、それ以外はカメムシ、ワタムシの大量発生時に使う。ハダニは、殺虫剤を使わないと天敵がいて発生が少ないので、その発生状況を見ながら対策を検討する。
4)その他の資材を活用する
害虫対策に、交信撹乱剤や、ニームオイル(インドセンダン)などの忌避効果が期待される資材を積極的に使う。

草生栽培

当園では、草生栽培を旨とし、除草剤は使用しません。


3_白いりんご・・・『ボルドー液』を使っています

りんごの果皮についた白い粉は、ボルドー液の石灰です。
ボルドー液は、生石灰と硫酸銅から調製された殺菌剤で、有機農業での使用が認められている資材です。

果皮につく石灰の白い粉は、安全なものにも関わらず、いかにも農薬を多用しているような誤解を与えるので、一般に、収穫間近のボルドー液の使用は避けられます。
当園では、化学合成農薬の最後の散布から収穫までの間隔を長くしたいことから、りんごの生育期後半は(7月下旬より)、ボルドー液を使用しています。

ボルドー液の銅や石灰は、水で洗えば落ちます。

 

『ボルドー液』と「白いりんご事件」

昭和四十年代まで、『ボルドー液』は、主要な薬剤の一つでした。しかしその使用は、次第に避けられるようになりました。その経緯について『青森県りんご発達史』に、次のように記録されています。

───(以下、引用)───

白いりんご事件

 昭和四十六年一一月NHKテレビに、「ある人生、白いリンゴ、農村開業医からの報告」が全国に放映された。りんご生産者ならびに周辺住民の健康をむしばんでいる農薬の恐ろしさを訴えたものである。その直後朝日新聞投書欄に「恐怖つのる白いリンゴ」と題して東京都の一主婦からそれほどまでに農薬散布を必要とするのか消費者は果実の中にまで薬剤がしみ込んでいるのではないかという不安を持っているとの意味であった。
 この投書に対して、青森県りんご試験場から既に猛毒性のパラチオン等は製造を中止していること、また白く染まるのは石灰分で人体には影響がないと回答したが、消費者の誤解と不安を取り除くような栽培法へ漸進すべきであることを示唆した問題として注目された。

(青森県農林部りんご課=編(1974)『青森県りんご発達史第12巻 昭和後期栽培史、剪定史、品種史、病害虫史』より)

───(引用はここまで)───